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石巻NPO日和バックナンバー Vol.012

地域に貢献するNPOをみんなで支える

昨年5月から毎月「いしのまきNPO日和」をお届けするようになり、今号で第12号となりました。発行のきっかけは、石巻圏域には地域課題の解決の為に多くのNPOが活動していますが、市民の方々にとっては、NPOが何処で、どのような活動をしているのかを知る機会も少なく、そもそもNPOとはどの様な団体なのか、知る機会を提供しようということで始まりました。

月に一度の発行とはいえ、石巻日日新聞にこれだけのスペースを提供して頂くので、発行するための費用もかかります。「いしのまきNPO 日和」の場合は、下記の欄にある地元企業の皆様にスポンサーとして広告を出して頂き、費用を賄っています。小さな試みですが、「地域に貢献するNPO を地元企業が支える」という理想に向けての一歩と言えます。

【NPO の活動資金について復習しましょう】
NPO(Non―ProfitOrganization )は「非営利の民間組織」と訳されるため、「非営利= 無償ボランティア」と捉える方も未だに多くいますが、決してそういうことではなく、普通の企業と同様に有給のスタッフを雇用し、活動拠点( 事務所)を構え、団体が掲げる目標を実現するための活動資金も調達しなければなりません。

従来からN P O の活動資金源として、以下の4つが挙げられています。

○ 会費: 会員( 構成員)から毎年( 毎月)継続的に支払われる収入。
○ 補助金・助成金: 自治体や民間助成財団などから事業に対し交付される収入。対象期間は単年度が多く使徒の制約もあります。
○ 事業収益: 物品販売、サービス提供、労務提供などにより得る収入( 行政などからの委託事業も含まれます。)
収益を目的とする事業を行うことは認められていますが、事業で得た収益を配当のように構成員に分配することはできず、得られた収益は公益事業等への再投資に充てる事となります。

○ 寄付金: 団体またはその事業の趣旨に賛同して寄せられる寄付金収入
「いしのまきNPO 日和」発行の為に、地元企業スポンサーから提供頂く資金は、企業側にとっては「広告宣伝費」ですが、間接的に地元NPOの活動を支えるための「寄付」になっています。

【「寄付金」について考える】

「大切なお金を提供し、この団体の活動を支えよう」と、賛同者から寄付を頂くことは、大変価値のあることです。NPOの平均的な収入構成を見ると、事業収入が8割近くを占め、会費や寄付金収入は1割程度というところが多いようです。

寄付金収入の割合が多い団体は、それだけ多くの賛同者がいるということになります。NPO 法人の中でも認可基準が厳しい「認定NPO 法人」として認可されるためには、収入構成の2割を寄付金にする、3 , 0 0 0 円以上の寄付者の人数が年平均1 0 0 名以上いる、などの要件をクリアする必要があります。多くの市民から支持される活動か否かを測る場合、寄付者の数が基準のひとつになっているのです。

日本は欧米と比較して「寄付文化」が根付いていないと言われています。左記のグラフをご覧ください。NPO 先進国であるアメリカは、寄付総額が日本の60倍以上になっています。

また、個人による寄付が多いことがわかります。理由として考えられることは、・キリスト教による文化的な背景。「富めるものが貧しいものに分け与える」といった教義に則り、歴史的に寄付行為への意識が高いと思われます。フェイスブック創設者のザッカーバーグ氏が5兆円を寄付するなど、桁ちがいの事例もありますが、ごく一般的な市民の方も、地域のNPO や教会、学校に寄付するこ12とでその活動を支えています。( 寄付先は宗教団体が全体の30%を占める)

・寄付行為に有利な税制。寄附をすると所得から一定金額が控除されるという仕組みは基本的に同じですが、控除できる寄附金の指定先はアメリカが圧倒的に多く、日本の40倍以上となっています。日本では控除対象の寄付先として認められているのは、国や地方自治体、学校、社会福祉法人など限られており、NPOへの寄付の場合は上記にある「認定NPO法人」が該当しますが、認可基準の厳しさなどで団体数がなかなか増えていないのが現状です。

アメリカでは寄付者が寄付先をある程度自由に決めることができ、その額に応じて税金が控除されます。日本は控除対象となる寄付先は少ないですが、代わりに税金を使った助成金といった形で様々な公益団体の活動を支えていることになります。日本のやり方だと、特定の団体に寄付が偏るということはないのですが、寄付者が直接、団体の活動を支えているという実感が持てないため、積極的な寄付に至らない場合が多いと思われます。

日本でも「ふるさと納税」でお金を集める際に、特定のNPO を指定できる制度を取り入れている自治体も出てきています。先進事例としては、佐賀県が納税したお金の使い道として県内のNPO を指定することができます。佐賀県ではこの仕組みを武器に、全国のNPO団体を県内に集積させる構想もあるそうです。

【眠っている預金を活用】

NPOの活動資金源についての話題を、もうひとつ。昨年12月、金融機関に預金として預け入れたまま10年以上出入金がなく、預金者への連絡も取れなくなっている「休眠口座」を、公益活動の財源にする法律「休眠預金活用法」が制定されました。毎年1千億円近く発生する休眠預金のうち、500億円あまりが配分先を決定する団体を通じた助成金や融資という形で、子どもの貧困対策や若者支援、地域活性化に対して活動するNPO や自治会などへ提供されます。実際の運用までは時間がかかりそうですが、NPOにとっては心強い資金源になりそうです。

「ふるさと納税」や「休眠預金」は、石巻圏域で活動するNPO や市民活動団体にとっても新しい資金調達の可能性を秘めています。大切なことは、NPO や市民活動団体が地域に貢献できる活動を継続して行い、透明性のある団体運営をすることで、市民の方々の信頼や共感を得る事ではないでしょうか。

市民の方々が寄付という資金提供や、ボランティアという労力提供というかたちで、地元NPO を支える機運が醸成されていくことに繋げていくことだと思います。微力ながら、この「いしのまきNPO 日和」や「石巻市NPO 連絡会議」の取り組みが、その一翼を担えるように頑張っていきます。

特定非営利活動法人 いしのまきNPOセンター
専務理事  四倉 禎一朗