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石巻NPO日和バックナンバー Vol.015

いよいよ今週末から「リボーンアート・フェスティバル」が始まります(7月22日~9月10日)。牡鹿半島の荻浜や鮎川を中心に、市街地でも多くの現代アート作品が展示され、地域色豊かな食材を使った料理も楽しめます。
今月の特集は、実行委員会事務局のメンバーとしてご活躍されている松村 豪太さんと杉浦 達也さんをお迎えして、この大イベントの魅力を存分に語って頂きます。

開幕前のお忙しい時にお集まり頂き、ありがとうございます。先ずは「リボーンアート・フェスティバル(=RAF)」とはどんなイベントなのか?を聞かせてください。

松村:ひと言で言うと、現代アート・音楽・食の総合祭です。地方型芸術祭とも呼ばれています。実行委員長の小林武史さんが率いるAP BANKは、震災直後から石巻を中心に被災地支援を行っていました。お金や食料を届けるだけでは復旧にしかならない、被災地を活性化し、真の意味で復興させるためには何が必要なのか、考え続けていました。

RAF実行委事務局長   一般社団法人ISHINOMAKI2.0 代表理事 松村豪太さん

そんな折、2012年に新潟の十日町市、津南町で開催されていた「大地の芸術祭」を視察に行った際に、地方型芸術祭のコンセプトを石巻圏の被災地に根付かせ、3年ごとに継続して開催することで、復興を加速させ持続的な地域づくりのためのイベントとする事を思いつきました。その後、県や各自治体に趣旨を説明して回り、賛同者を得るための声がけを始め、2015年7月に実行委員会が結成されました。

なぜ、牡鹿半島での芸術祭なのでしょうか?

松村:これは小林さんの言葉なのですが、復興には光と影があり、例えば復興事業により活況を呈する仙台を光とするならば、震災による人口減少が著しい牡鹿は影です。その影の部分に光を当てていきたいと考えました。牡鹿には美しい景観や地場の魅力的な食材などを含め、独特の面白さがありますが、全国的には知名度は低い。このイベントを通じて、多くの人に牡鹿半島の魅力を知ってほしいと思います。

RAF事務局 一般社団法人 サードステージ 代表理事 杉浦達也さん

杉浦さんのご実家は牡鹿だそうで。

杉浦:私は牡鹿半島に住んでいませんが、亡くなった両親の実家が牡鹿半島にあります。RAFという素晴らしいきっかけを活かし、活かされるため、地元の方々が積極的に関わってくれる事が大切だと思います。初めて牡鹿半島を訪れた方々が「また帰ってきたい!」と思ってくれるような仕組み作りが大事です。

では、具体的なイベント内容を教えてください。

松村:石巻の中心市街地と牡鹿半島の桃浦・鮎川・荻浜をメイン会場として開催されます。牡鹿半島は殆どの展示が野外で行われ、街なかは屋内会場が多いです。お客さんにはパスポートを買って頂き、各会場の展示作品を見て頂く形になります。また、荻浜小学校は、地域で表現活動をしている人たちの会場となります。現代アートなので、ただ見るだけでなく体験型、参加型の作品もあります。

杉浦:今日は荻浜小学校で展示の準備をしてきたのですが、今回の為に集まってくれたアーティストと地元に暮す地域の方々が一緒に会場の掃除をしていて、さながら合宿所のようでした。一緒に掃除して、食事をして・・といった活動を続けていく内に関係性が密になり、大変良い雰囲気になっています。地元の方とこのために来てくれた方が集まり一緒に何かをつくりあげる・・というのが、とてもいいですよね。

お話を伺っていると、RAFの開催は牡鹿半島に様々な影響をもたらすと思われますが、最も期待しているところを聞かせて頂けますか?

松村:経済効果を生み出すことが、やはり大切ですね。小林武史さんは「自創(じそう)」という言葉を使っているのですが、外からの力をもらいながら地域の人たちが自分ごととしてやっていかないと、継続にはつながりません。そのためにも、地元に経済的な利をもたらしたい。実際、イベントの準備の段階で、地域の雇用を創出する機会が出来ています。イベントが始まったら、交流人口が増えることで観光産業の活性化につながるでしょう。また、地場の食材を評価してもらうことで、より高い価値を持って流通することが出来るようになると思います。

杉浦さん達はイベント周知のため、各浜で一件一軒訪問して挨拶をしながらチラシを配っているそうですね?

杉浦:当初、住民の皆さんは「一体、何が起きるのだろう?」といった不安のほうが大きかったように感じましたが、最近は楽しみにしてくれる人が増えてきました。市外・県外から牡鹿半島を訪れた人に対して挨拶や声掛けを通して少しずつ関わりを持ち、関係性を作っていければ持続につながるように感じます。今回、アート作品を置かない浜でも、提供する料理にその浜の食材を使用したり、様々な形でも関われる様考えています。

今回の開催には、地元NPO団体も数多く関わっていると思います。彼らも含め、石巻圏域のみなさんにメッセージをお願い致します。

松村:首都圏の人たちがもたらしてくれるイベントとして石巻が盛り上がるのではなく、地域で生業をしている人、住んでいる人、そしてNPO団体など様々な立場の人たちが関わることが大事です。そうじゃなきゃ、このイベントは成り立ちません。多様な人たちが参加し、一緒に創っていくお祭りにしなければならないと思います。

杉浦:震災後、牡鹿半島のみならず、圏域被災地には多くの方が支援のため訪れ、あらゆる角度からたくさんのきっかけをもたらしてくれました。それに感謝しつつ、NPO団体等にもできることから関わってもらえたらと思います。
一緒に楽しみ、また一緒にやりたいと思ってもらえたらうれしいです。

松村:今回、運営ボランティア、サポーターのチームとして「こじか隊」を結成しました。彼らには単なるボランティアに終わることなく、RAFを通じて様々な出会いや体験を楽しんでもらい、地元の文化について学んでもらう機会にしてほしいと考えています。ぜひ多くの市民の方に、こじか隊に参加して頂きたいですね。現在、旧港湾病院の建物がこじか隊の活動拠点となっており、運営には地元の社会福祉法人の方たちに手伝ってもらっています。その福祉団体が支援する障害のある方や、漁業の方、NPOなど様々な立場の人が関わることで、いい意味での「ごちゃまぜ」になればいいと思います。

杉浦:「未来の自分に出会う場所」として、RAFは心を動かすきっかけを作っていけるのではないかと思います。地元の人間として、覚悟を決めてやっていきますので、地域の方々にも積極的に楽しんでもらえたらと思います。

お二方ともお忙しい中、ありがとうございました。開催を楽しみにしています!