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石巻NPO日和バックナンバー Vol.019

新たなコミュニティ作りの実践~仮設集約と復興住宅における課題とは~

現在、石巻市では市内にある仮設住宅1 3 2 箇所を22箇所に集約することが決まり、平成29年3月よりそれぞれの仮設から集約拠点への移動が始まっています。集約先での仮設住宅住民の孤立の防止や、新たに移住してきた住民とのコミュニティ形成を目的に、仮設住宅拠点団地でお茶会を開催している一般社団法人石巻じちれんさんに現在の状況などを伺いました。約拠点への移動が始まっています。集約先での仮設住宅住民の孤立の防止や、新たに移住してきた住民とのコミュニティ形成を目的に、仮設住宅拠点団地でお茶会を開催している一般社団法人石巻じちれんさんに現在の状況などを伺いました。

 〇仮設住宅の集約が始まっていますが、現在の状況を教えてください。
渡辺:石巻市内は、22箇所の仮設集約拠点団地ができています。私達は今年の4月から、そこに住んでいる方と、集約で他の団地から来た人たちのコミュニティ作りを目的として、半島部5箇所を除く石巻市内17の仮設団地で毎週1回、曜日と時間を決めて、「つながりお茶っこ会」を開催しています。開催していく中で、他の団地から移ってきた人たちの参加がなかなか少ないと感じます。出てくるのが嫌なのか、また、輪の中に入ってくるのも大変なのかなとも思っています。

〇大嶋さんも同じ活動をされているんですよね?
大 嶋:私も連絡スタッフとして、現在渡辺会長と私含めたスタッフ4人で、毎週一緒にお茶っこ会に参加しながらみなさんと交流を深めております。

〇仮設住宅の集約によって住民の入れ替わりがあり「隣に住んでいる人が誰なのかわからない」というお話も聞きましたが、どうなのでしょうか?
増 田:町内会や自治会がないので、そういったことを誰に報告していいのかわからないだろうし、把握する人間がいないため、どうしてもそういう形になってしまうのかなと感じています。

〇じちれんさんは現在、復興住宅支援のじちれんさんと、石巻仮設住宅推進会の二つに分かれて活動されてされていますが、山根さんはお茶っこ活動を通して思うところは
ありますか?
山 根:もともとは、やむなく引越しされてきた方と、もともと住んでいた方の交流を目的に支援していたのですが、新しく来る方にも色々な事情がありますし、また、やる気があっても団地によっては住民自体があまりいない地区もあります。仮設住宅にいたときのような関係づくりが復興公営住宅では難しいということで、お茶っこ会の開催が、転居した住民にとっての交流の場として役立っているというのは、意外でした。
新蛇田や新西前沼という地区は、0から新しく作った土地なのですが、他のところはもともとの町内会があった場所です。前からあるところに入るのと、0から始めるというのは全然意識が違うんだなと言うのは仮設を見てて思いますね。

〇お茶っこ活動をしていく中で、感じる課題や思いなどはありますか?

渡 辺:やはりお茶っこ会にできるだけ参加してもらいたいのが、私達の希望です。ある団地にお母さんと娘さんで二人暮らしをされている方々がいるのですが、先日、娘さんがお母さんに「今日お茶っこ会あるから行ってみたら?」と声をかけてくれてくれたことがきっかけで、参加に繋がったということがありました。帰り際に、今度お友達を連れてきてもいいですか?と聞かれたので、どうぞ来てくださいと伝えました。それはとても嬉しかった出来事です。

〇お茶っこ会の宣伝、告知について教えてください。
大 嶋:カラオケを持っていくことで、皆さんに元気を与えているという印象があります。お茶っこ会の開催は平日なので、参加されるのはご年配の方が多いです。最初は「自分は歌えない」と言っていた方々が、一曲でも歌いだすと、昔を思い出すらしいんです。ある団地のお父さんは、何ヶ月も何も歌わなかったのですが、一曲歌い始めたところ「現役時代の小柳町を思い出した」とお話されていました。どんどん思い出が湧き出てきて、同時に元気も出てきて、みなさんに楽しさを振りまいてるのがいいのかなとも思います。

 

 

山 根:お茶会の様子や、ボランティア募集をFacebookやホームページに掲載していますので、ぜひ「石巻じちれん」でチェックしてください!

〇現在、復興住宅の数がかなり増えてきましたけど、入居率は高いのでしょうか?
増田:復興住宅はほとんど入居されています。戸建てのほうは400世帯くらいあるように見受けられます。新蛇田だけだと、全部で1265世帯が揃う町並みになる予定です。

〇増田会長は石巻じちれんの会長と共に、今回町内会の会長も今回決まったんですよね。
増田: 11月3日、蛇田新立野・新沼田から、のぞみ野一丁目から五丁目に町名が変更しました。その中ののぞみ野第二町内会の会長です。

〇大嶋さんは復興住宅に住まれて一年経ちますが、どうですか?

大嶋:私の住む新西前沼の集会所でもお茶っこ会を月一回開催しているのですが、楽しみにしている方も多いようです。
5階に住んでいるので、すごく景色もきれいですし、街の中に住んでいるという感じがします。マンションタイプの住宅は仮設住宅と違い、あまり近隣の音などは聞こえないのですが、仙石線が通っているので、戸をあけておけば電車の音が聞こえますし、中にはうるさいと言った声も聞かれます。ここに来てすごく嬉しいことは、仮設住宅にいたころはほとんど見れなかった子どもたちの姿が見えるようになったことです。
ベランダからのぞくとあゆみ野駅から行き来する高校生が見えますし、散歩されている方の姿も見えて、とても満足です。石巻全体でこんな雰囲気になれないかなと思ってます。

〇まだ馴染めていない方も多いんでしょうか?
増田:私自身は3年間住んでいるので、住民さんの顔などある程度はわかるようになってきましたが、住民さん同士ではまだ少ないように感じます。
それで2年ほど前から集会所を解放し、8時から17時まで、夜も使いたい方がいればお申込みをいただければ使える状態にしてあります。
先日はNPO団体さんが仙台の女子高生を連れてきておくずかけを作る行事をしたり、東京から約60名のボランティアの方が来てくれて、プランターに花を植えてくれました。
みなさんに「きれいだな」と思ってもらえ、楽しんでもらえる環境づくりを少しでも多くの方々に協力いただきながら、また、住民さんにも参加していただく形で、集会所をフルに利用しながら活動しています。
集会所は、申込みさえすれば住民さんが自由に使えるようにしてありますが、まだ申込みが少ないように感じます。

山根:使いたい方はどういう所なのか一度見に来ていただければと思います。
あくまでも住民さんのための、住民さんで運営する集会所なので、何がしたいといっても場合によっては出来ないこともけっこうありますので、そのへんは私達で調整をしているところです。

〇市内にある町会や自治会さんが運営する公民館と同じ扱いなんですね。
増田:復興住宅ということで、一般の町内会の集会所の使い方以上に、活発に使っていくことが大事なように感じます。使うことによって顔見知りになったり、どういう人が住んでるのか知るために機会を多く持つことが大切だと思います。
一般の町内会のような隣近所の人がわかる状況とは違うので、そのためにも安全パトロールや美化運動、ゴミ拾いなどの活動が、数多く必要なのかなと考えております。

〇戸建ての方、復興住宅を含めみなさんが集いあって、今はたくさん交流を求めようということなんですかね。
渡辺:私も今年の一月に、やっと三ツ股の復興住宅に入ることが出来ました。

私がいるところも二百世帯くらい入る予定です。津波被害にあったところなので、まだベランダから見ると、家がまだまばらで、夜はちょっと暗いですね。そこでも、ボランティアさんがきて集会所でお茶っこなどを開催しているようですが、まだあまり利用されていないようです。

 

〇地域によって温度差があるように感じますね。
増田:集会所を使う約束などを皆さんと話し合いながら、積極的にやっていけるところもありますが、光熱費の問題などもあり、みなさんの負担がかかるということで、集会所をあけないという事例もあるように思っています。

〇今後の抱負を教えてください。
渡辺:現在開催しているお茶っこ会は、住民の皆さんにとても喜んで参加してもらっています。私達は皆さんをあたたかくお迎えしますので、ぜひお気軽に声をかけてください。

増田:現在新蛇田地区は、新立野第一、第二、新沼田第一、第二の4つの区に分かれています。
最近、私が会長を務めるのぞみ野第二町内会が完成しましたので、できるだけ早く残りの三地区にも町内会が出来ることを望んでいます。

石巻じちれんの皆様、ありがとうございました。
現在新蛇田地区では、1人でも多く引きこもりの人をなくす為に、復興公営住宅での住民主体のサークル活動も盛んに行われているそうです。
仮設住宅にお住まいの方も、復興住宅に引っ越された方も、住民同士お互いに顔が見える関係性ができ、誰もが安心して暮らせる地域になるといいですね。